扶養から外さないとどうなるか

健康保険組合は、みなさん(被保険者)と会社から集めた保険料から支えられています。
被保険者が納める健康保険料は収入によって額が決まり、被扶養者が何人いてもそれで増減されることはありませんが、国に納める高齢者医療のための納付金は加入員(被保険者+被扶養者)の人数で計算されますし、医療費は一人ひとりにかかります。
「扶け合い」の考え方により被扶養者には保険料負担がないだけに、本来は被扶養者でないはずの方が扶養家族のままでいると以下のようなことが起き、その分が健康保険組合全体に損失という形で跳ね返って財政悪化を招きます。上記のような事実が発生した場合には速やかに除外の申請を行ってください。

国への納付金が実際の額よりも増えてしまう

例えば、納付金のうち後期高齢者支援金だけでも1人当たり約5万円を余計に国に納付しなければなりません。後で訂正しても返還は行われません。

他の健康保険が支出するはずの医療費を肩代わりすることになる

当健康保険組合の保険証を提示して病院にかかってしまうと、そのまま当健康保険組合に請求され、本来支払わなくてよい医療費がみなさんの保険料から支払われてしまいます。なお、平成22年度の被扶養者の医療費平均は約12万円です。

厚生年金の各種証明の補完的役割

みなさんもご存知の通り「消えた年金」として、ねんきん機構(旧社会保険庁)が年金記録を紛失する事態が発生しました。本来は、年金記録がない期間の年金は不支給となりますが、救済のため、第三者委員会を通じて、健康保険組合に対し、各種情報提供の依頼が頻繁になされています。
実は、健康保険における標準報酬月額や、加入期間は厚生年金加入の参考資料となることから、加入・保険料支払を証明する補完的な役割も求められているのです。
扶養家族、特に配偶者について言えば、扶養家族であった間は、国民年金の第三号被保険者であり、厚生年金には加入していないとみなされる恐れがあります。配偶者が就職(就職先の健康保険に加入)した場合には、速やかに扶養から外す手続きを行ってください。